緊急レポート!(その1)
(2004/11/23)
※ネタバレ部分は、背景と同一色にしています。
「CTRL+A」またはマウスでドラッグして選択し、反転させることで見ることが出来ます。
たとえばこんな感じ→『ネタバレ』
今回私が行った映画館はなかなか大きく、4スクリーンを使って、2スクリーンごとに同時に上映をしていました。片方2つは初回上映が9:50開始、もう片方は10:40開始でした。もともと9:50の方で観るつもりだったのですが、着いたのが9:45頃になってしまったため、10:40上映の方にしました。最初の上映は\1000なので、前売り券は使わずに普通にチケットを買い、入場すると、いまちょうど開いたところで、数人しか入っていない状態でした。
そこで、真ん中の一番良いところに陣取り、待つこと約1時間。上映15分前頃までは、まだ50%位しか埋まっておらず、最後の5分で一気に増えた感じでした。しかし、入場券の発行数を抑えているのか、はたまた4つもスクリーンを使っているからなのか、立ち見が出るような状態では全くなく、最前列の3列は、上映が始まってもがら空きでした。(もし初日もこんな感じだったのなら、見に来れば良かった…)
上映時間は2時間10分(CM込み?)。十分なボリュームでした。
まず始めに
まず、第一に言いたいのは…ソフィーの後ろ姿が、ものすごくきれい!
後ろ姿だけで、こんなに魅力的に描けるというのはもう、信じられません。
途中で、何度もソフィーは若返ったり(魔法が解けた状態になる?)老婆になったりするのですが、
後ろ姿だけでそれが分かるのも、わざとどちらか分からないのも、巧みに描き分けられていて、いまどっちなのかがすごく気になりました。
私にとっては元に戻っている状態がすごく嬉しくて、ちらっと戻っている場面が出てくると、感情移入しすぎて(?)涙さえ出てきて、すこし困りました(^^;
でも、本当に何度泣きそうになったことか…。(別にそういうポイントじゃ無いだろうに…)
企画展を見た人なら分かると思いますが…
去年(2003年)の夏、ジブリ美術館の企画展示「天空の城ラピュタと空想科学の機械達展」で上映されていた、6分程度の短編映画に出てきたような戦艦やらフラップターみたいな乗り物やら、戦争場面やらが、ほぼそのまま出てきていた、と言っても良いようなくらい(これらの場面は)似た雰囲気でした。…むしろ、「うぁっ、ギガントだ!!」とか思うような(※「未来少年コナン」より)爆撃機が出てきたりしてました。有名なところでは、ナウシカに出てくるでっかい飛行機みたいな雰囲気です。
私の最初のイメージは…
ソフィー第一印象は、「(世界名作劇場の)赤毛のアン」のアンみたいだ、と思いました。歩き方とかかも…?
そして次にはなぜか、「(同)ナンとジョー先生」のジョー先生みたいだな、と。なんでだろ?(なんだか急に頭に浮かんできた(汗)このアニメも、そんなにしっかり観てなかったのに)
そして、最後の方になってくるともう、宮崎駿キャラクター以外の何でも無くなって来ます。(こっちの方が好みです(汗))何だろう、「千と千尋の神隠し」のときも、それに近かったかも。冒頭のソフィーは目がギョロっとしているというか、・・・安定した絵では無かったのかも。
それにしてもソフィー、背丈が変わりすぎです(^^;
ああ、どうしてもソフィーのことをたくさん書いてしまうのですが、他のキャラクターも非常に魅力的で個性的です。
ハウルは、完全にカッコイイ美青年。あまりにも悪意が無いというか、ひょうひょうとしていて不思議なお方。それでいて「美しくなければ生きていたって仕方がない」などという名セリフを言い放ち、ソフィーに「私なんて、美しかったことなんか一度もないわ!」などという、これまた名セリフを言わしめながら、全くそのことにさえ気が付かずに自分の世界に落ちていく、という無神経な面も。でも、ハウルはどう考えても“白馬の王子様”役ですね(^^;
そしてそして、カルシファー。こいつ、面白かったけど、結局ハウルとの契約の秘密とかって最後まで分からなかったような・・・。でも、実は一番活きているキャラだったかも。
でもってその次にマルクル。あの変装・・・いやいや魔法は、笑える。何気なく「わしは芋は嫌いじゃ。」「わしは魚嫌いじゃ」とか言ってるのも笑える。それにしても、どうやって弟子になったんだろう。恐らく、親なしなのではないかと思うが・・・。そして、どうやって魔法を覚えてるんだろうか。
王室付きに魔法使いのサリマンは、「もののけ姫」のひいさまを若くして、ちょっと悪っぽくした感じ?少し冷酷な感じがします。最後のセリフ「ハッピーエンドってわけね」は無かった方が・・・。
荒れ地の魔女は、最初どんなに恐ろしいヤツかと思ったけど、やけにあっけなく大人しくなってしまいちょっと残念。
カブ。どうでも良いけど、友達に「カブ」っていうあだ名の人がいました(笑)。うむ、これはネタに使えるかも…じゃなくて、2回目の登場の時、どうやってあんなところにはまってたんだろ…。
最後に犬のヒン。なんでこんなに重いんでしょうか。しかもこいつ、なにげに耳で空飛んでるし!
そして今回も…
どろどろのべたべた(?)が登場します。「もののけ姫」以来毎回出演してますね。既に、感情表現のひとつとして定着しつつあるのかもしれません。
作画とか
3DCGも多用しているみたいですが、かなりのレベルでうまく手書きの絵に融合しています。
手作業である人物の動きはますます細やかで、王宮の階段を上りきったとき、
下の広場にいる人間まで動いています。
また、主に衣類の動きですが、風がすごくよく表現されていて、さすが!と感心してしまいます。
今回は風のあるシーンが非常に多いですね。
花畑で、風に揺れているスカートと湖の水面…。すごく美しいです。
また、今までのアニメに慣れている状態で、全体的に安心してみていられる感じでした。(変に浮いたCG効果がかかっていたりしない)
音に関して
イメージアルバムを少々聞いていた程度で、サントラは聞いていなかったので、
下手に音楽に気をとられることなく鑑賞できました。(実は、「もののけ姫」
の時、いろいろあって観に行くのがすごく遅くなったのですが、観に行く前に
サントラをたくさん聞いてしまい、実際に映画を観たときに「音楽は音楽」で
頭の中で分かれしまい、素直に鑑賞できなかった、ということがありましたので)
もちろん、今回も久石さんの音楽はすばらしかったし、サントラ買う気満々です。
映像を引き立てるのはもちろん、逆に邪魔することは無く、それでいて単体で聞いても素晴らしい。
この話のラストについて
ええと、全面的に隠します。
最後にサリマンが「ハッピーエンドってわけね」とか言ってますが、(そして実際に双方の国が戦争をやめるような兆しがありますが)決して単純にハッピーエンドではありませんね。確かに、ハウルとソフィーの二人に関してはハッピーエンド(…あ、でもソフィーが“美しい”女性に戻った今、心臓を食べられる恐れはないのか?!…まあ、それはいいとしても)ですし、仲間も残っているし、「動く城」も羽まで付いて飛べるようになって復活したし、確かに「動く城」内部ではいいことづくめなのですが・・・。
既に破壊され尽くした、ソフィーの町は?戦争で大切な人を亡くした人たちは?そして軍人達は?本当に戦争が終わるまでには、まだまだ問題が残っていて、そう簡単に終結することは無いと思います。(まぁ、方向としては明るい道が開けたわけですが。)そもそも、どうしてあんなに大規模な戦争が起こっているのかも謎です。これは一般市民から見れば、いつの時代もそんなものなのかもしれませんが…。
特に、ソフィーの町にいた人々が心配です。ソフィーの家族は無事なんでしょうか。
今回は、あえてそのことを表面に出さずに「おわり」としたのかもしれませんが…。
うーん、いろいろ気になってきた。原作も読みたいな…。それから、せめてもう3回くらい映画館に行きたいなぁ。
実際に観るまでは…
実を言いますと、最近の『耳をすませば』以降の宮崎さんの映画は、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』と来て、なんだか違うなぁ・・・と感じていました。もちろん、この2つの映画も好きなんですが、何か今までのとは違う、と。
そして今回は原作が存在する『ハウルの動く城』。正直なところ、もしかしたらこのままの流れで、また「何か違う」タイプの作品かなぁ、と思ってしまっていました。
が、見事に裏切られました。全くそんな心配は要りませんでした!前と同じタイプの作品、というわけでも無く、さらに新しい方向かもしれませんが、これはもう、完全に私のツボです。もう、心の底から楽しむことが出来ました。
…というわけで、宮崎さんの昔の作品が大好きな人にも、期待は裏切らないと思います。是非、観るべきです!
そんでもって…
こんなに人に勧めたくなった映画は、初めてです!!
全く何の予備知識もない状態で観ることを、強くお勧めします。
下手に先入観を持ったり、事前にある場面を見ていたりすると、面白さが半減してしまうような感じがします。今回は宣伝でもほとんど場面を出さない、というのを徹底していましたから、せっかくなので白紙の状態で映画館に行きましょう!そして、素直に楽しみましょう!実は今日、連続で2回見てきたのですが、やはり最初に見たときの感動は忘れられません。
今後、いろいろな情報を目にする前に、是非映画館へ!映画館で見る価値が十分ある作品だと確信します!
最後に一言
「ソフィー、 キスしすぎ!!!!!」
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