スタジオジブリ 絵コンテ全集A
天空の城ラピュタ から分かること・考えること。

ここでは、天空の城ラピュタの“絵コンテ”から分かることを中心に、少しずつ考えたりしながら、書いていこうと思います。




オープニング・解説(2002/10/6)
 “絵コンテ”のオープニングのところに書かれている、『字コンテ』の部分です。詩のような感じで書かれいます。それぞれ、各カットに対応していますので、一度ビデオを見ながら読んでみてください。
(特に、2002.10.4に発売されたDVDには、ノンテロップのオープニングが収録されていますので、オススメです。)
<以下、引用>


風の女神の息吹き
流れる雲、わく雲

流れる雲
なびく草
まわる風車と原始的な炉から煙

ゆっくりまわる複雑化した風車
木製のかんじ

大地をうかすための巨大な歯車の群(風力)

大地を掘りすすむ回転する爪
地中の星

大地の富をうばいとり、火をつかって
もはや風をつかわない歯車
天をおおう黒煙をたちのぼらす
巨大な溶鉱炉、ありのような人々

ついに人は空をとぶ
火の車で風車をまわして

バイ煙におおわれた
地上、墓標のような
プラント群の間から
ゆっくりのぼっていく
巨大な飛行建造物
無数のプロペラ

空をうめつくす
奇怪なプロペラ船の群

壮大な空中都市まで
つくられる。
羽虫のような船の群
底でまわる巨大なプロペラ

浮遊する大地の断片
その上の都市や田園、街

空中都市の群
プロペラアリ

おしよせる黒い雲

豪雨、イカズチ
(花札の嵐の札を参照)
(イナズマ黒く)

地上に落ちた都市の
一部らしきもの
アリのように人々が大地へ
もどっていく

再び女神

カラカラとまわる
木の水揚風車
少女とヤク

パズーのラッパ(2002/10/6)
 映画の最初の方で、朝、パズーがラッパを吹く場面があります。その曲は、絵コンテ中では朝の曲と記されています。この絵コンテを描いた時点では、まだ曲はできあがっていなかったのだと思います。
 ちなみに、この曲はイメージアルバムでは「ハトと少年」という題名の曲(と同じメロディライン)で、サントラでは「スラッグ渓谷の朝」という曲の一部分が、映画で実際に使われたものとほとんど同じ曲です。

マッジ(2002/10/6)
 映画中に、こんな場面があります。

ルイ 「女の子が、この辺に来なかったかい?」
パズー「きのうー、来たかな?親方んとこの、チビのマッジが!」

この場面のところに、多分本当なのです。と書いてありました。
両親を亡くしたパズーにとっての親方一家は、親代わり的な存在であるのと同時に、マッジにとってのパズーは、実の兄弟のような存在なのではないかと想像してしまいます。
実際に、マッジの面倒を見ることも、よくあるんでしょうね。 (^^;

貨車の数が・・・。(2002/10/6)
 パズーとシータが機関車に乗せてもらい、線路の上を逃げているところを海賊達に追われる場面。トンネルに入ったあたりで、シャルルとルイが貨車を次々と跳び越えて、迫ってきます。(その後シータの投げたシャベルにぶち当たりますが(笑))この時・・・。

貨車の数ごまかして1台増やす

という指示がありました。注意して見てみると・・・。
まず、通常時、貨車の数は3台。シャルルとルイが貨車に飛び乗って、いち、にぃ、さん(ゴ〜ン)←シャベルが当たったところ。
・・・確かに、3回跳び越えてる。ということは、貨車が4台になってますね!
 今まで全く気付きませんでした。完全にごまかされてました(笑)。それにしても、全く違和感無いものですね。さすがです。

目玉焼きの食べ方(2002/10/6)
 パズーとシータが廃坑道で、目玉焼きをのせたパンを食べるシーンがあります。パズーが目玉焼きだけを食べ、同じような食べ方で、シータも目玉焼きを食べますよね。これ、実は

まねしてるわけでなく、こうなっちゃう

という事だったらしいです。私は、てっきりパズーのまねだとばかり思っていました。 f(^^;;

ロボットの素材(2002/10/6)
 ロボットの素材は、金属ゴムらしいです。(なんだそりゃ?(笑))ムスカの“金属なのか、粘土なのか、それさえ分からない”というのも、もっとも。(ここでの粘土というのは、セラミックスのことでしょう。)
 ・・・ラピュタの科学力はすごいです。

幼いシータが泣いていた理由(2002/10/6)
 シータが呪文を思い出す時の回想の中で、幼い頃のシータは泣いていましたよね。おばあさんは、「それは困ったねぇ」などと言っていますが、映画中では、何故シータが泣いていたのかは語られていません。しかし、ちゃんと理由があったようです。それは、

大事な子羊がいくら探してもみつからない

からだったそうです。
 この後、結局子羊は見つかったのでしょうか・・・。この時は、石を持っていなかったため飛行石が発動(?)する事は無かったのだと思いますが、なにか呪文の効き目があったのでしょうか?

ドーラの髪型(2002/10/6)
 タイガーモス号の見張り台で、パズーとシータが真下にいるゴリアテを見つけた後、コックピットに戻ったドーラの髪型はいつもの三つ編みではありません。これは、

カミの毛をあむ時間がなかった

ためだそうです。
 ・・・しかし、『発見!「天空の城ラピュタ」(仮)』にあるように、
パズーたちが‘たこ’で突風にあおられたときを境にして髪形がいつもの三つ編みに戻っています。

ムスカ(2002/10/6)
 この人、虫はゾッとする体質らしい

とのことです。(「読める!読めるぞ!」の辺り。)そういえば、“ムスカ”というのは、どこかの言葉で“ハエ”という意味だと聞いたような気が・・・。(←かなりうろ覚え f(xx; )

文字(2002/10/6)
 ムスカが「伝承の通りだ!」などと言っている黒い石に書かれている、不思議な文字がありますよね。あれには、

メソポタミヤの楔形文字のような文字

という指定がされていました。これは、“やっぱりそうか (^^; ”という感じですね。
ジブリ美術館の屋上にも、この石があって、本当に良くできていました。

銃の残弾(2002/10/6)
 ムスカが、「3分間待ってやる」と言って、銃に弾丸を詰めます。この場面。

ムスカ このスキ、装弾する。実はもう弾丸がなかったのです

ということでした。(数えてみると、確かにそうです。)パズーの大砲も、弾丸は2つしかもらっていないので、もう残弾がないのですが、「それとも、その大砲で私と勝負するかね?」と言ってた時には、ムスカも銃を撃てる状態ではなかったわけで・・・。(さすが特務(笑)顔には出さない。)実は、パズーが来たとき、結構ヒヤヒヤしてたりして(笑)

キツネリス?テト?(2002/10/6)
 パズーとシータがラピュタ脱出時、園丁のロボットが見えます。その様子を

花(多分さっきの騒ぎでおれたのです)などをもって、テト達や鳥までのっけて歩いているロボット。

と書いていましたが・・・“テト”?
 テトって、「風の谷のナウシカ」で、ナウシカがユパからもらったキツネリスに付けた名前では? f(^^;;
なんて、ちょっと気になりました(笑)

木くらげ(笑)(2002/10/6)
 崩壊が止まった後、上昇していくラピュタ。そのカットの端っこに

これぞ木くらげ

なんていう書き込みが(笑)。これに限らず、(他の作品の絵コンテ中でも)落書きみたいな部分がたまにあって、面白いものが結構あったりします。 f(^^;

水の筋(2002/10/6)
 タイガーモス号が、雲の中を進んでいるとき、あちこちから白い煙のようなものが流れています。あれは、水の筋なのだそうです。(飛行機雲と同じ原理でしょう)
 ずっと、煙が出てるのかと思ってました(恥)。




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